【長男の置き土産】作りかけのMGシナンジュ・スタインと格闘する。会社を閉めた父の贅沢な時間

白いワンコと私のSOHO。 生活(暮らし)にまつわる.etc

54歳。

ファーストガンダムをはじめ、サンライズのロボットアニメとともに育ってきた世代である。

『機動戦士ガンダム』はもちろん、『装甲騎兵ボトムズ』に『巨神ゴーグ』いやいや、サンライズ作品なら、ほぼ制覇しているのではなかろうか。ザブングルにエルガイム、イデオンにダグラム、枚挙にいとまがない。

先日も妻に『巨神ゴーグ』の魅力を熱弁をかましたところである。

妻がどこまで聞いていたかは定かではない、が。笑

さて、会社を閉めてから、気がつけばかなりの時間が過ぎていた。

のんびりとした毎日を楽しんでいるのだが、人間というのは不思議なもので、時間があると今度は何をしようか迷う時もあるらしい。

もっとも、なんだかんだで毎日予定はあるのだが…。

そんな私が今回、白羽の矢を立て一念発起し制作に乗り出したものが、長男の置き土産。

作り、かけの〜、プラモ〜。である。

長男が購入し、ほんの初期段階で製作を放棄したままになっていた一品。

その名も――

MG 1/100 シナンジュ・スタイン Ver.Ka

404 NOT FOUND|バンダイホビーサイト

小学校1年生の頃から、数え切れないほどのプラモデルを作ってきた私ではあるが、今回はなかなかの強敵である。

カトキハジメ氏によるデザインを立体化した、マスターグレードのシナンジュ・スタイン。

「見せてもらおうか、カトキハジメのデザインの性能とやらを。」

……などと、余裕をかまして箱を開けてみた。

そして、思った。

「……これ、本当に1体分か?」

箱を開けた瞬間から戦いが始まった

ランナーの山。

山。

これまた山。

12機のリック・ドムを3分も経たずに撃破したあの人でさえ、驚く物量である。

説明書も分厚い。

もはや組み立て説明書というより、モビルスーツの整備マニュアルではないか。

ページをめくるたびに、

「まだ腕?」

「まだ脚?」

「えっ、ここからさらに何か付くの?」

と、自分自身に問いかける。

ニュータイプになり損ねた54歳が、そこにいた。

パーツを切り出してはゲート処理。

組んでは、外し。

また組んでは、眺める。

そして、必ず起こるあの事件。

「あれ? このパーツ、どこ行った?」

私を踏み台にして、どこかへ消えていく小さなパーツ。

ちいさくて、なんかかわいい。

略して、ちいかわ。

……いや、かわいくない。戻ってこい。

最大の敵はデカールと老眼である

組み立てだけでも十分に手ごわいのだが、今回の本当の敵は別にいた。

デカールである。

細かい。

とにかく細かい。

肉眼では、もはや点にしか見えないサイズ。

ピンセットを握り、息を止めながら慎重に貼り付けていく。

1枚貼るたびに肩が凝る。

2枚貼ると老眼鏡のピントがズレる。

3枚貼る頃には、

「これ、修行だな……。」

と、悟りの境地に入ってくる。

モビルスーツの製作というより、54歳の視力と集中力を試す耐久試験である。

しかし、不思議なことに、この作業、嫌いではない。

むしろ、こういう面倒な制作ほど、妙に熱中してしまうのである。

塗装にもこだわってみる

今回の仕上げには、マットクリアーのスプレーやエアブラシを使用した。

エアブラシといえば、昔は「ピースコン」なんて呼ばれていた。

コンスコンではない。※わかる読書諸兄だけ楽しんでいただければ本望である。

ちなみに、私が愛用しているのはタミヤ製のエアブラシ。

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せっかく時間があるのだから、質感にもこだわりたい。

フレームには金属らしい表情を。

外装には落ち着いた光沢を。

単調にならないよう、色味を少しずつ変えながら陰影を付けていく。

吹いては乾かし、また吹いては眺める。

「もう少し、ここをこうしたら…」

そんなことを考えている時間が、実に楽しい。

若さゆえの過ちか。

いや、54歳である。笑

以前なら、まとまった時間を確保して、一気に完成させようとしていたかもしれない。

しかし、今は違う。

「はい、今日はここまで。」

そう言って、作業を終える。

続きは明日でもいい、一休み一休み。

……どこからか、あの屁理屈坊主の声が聞こえてきそうである。

息子の作りかけは父の完成品

そんな日々を重ね、ついに完成した。

MG シナンジュ・スタイン。

シナンジュ正面

机の上に堂々と立つ、その姿。

うん、格好いい。

苦労して組み上げ、デカールを貼り、塗装を重ねた分だけ、なんともいえない愛着が湧いてくる。

しばらく眺めながら、思わずつぶやいた。

「頑張ったなぁ……。」

誰に向かって言ったのか。

シナンジュ・スタインなのか、私自身なのか。

おそらく、両方である。笑

会社経営を終えた私にとって、このプロセスは、新しい暮らしに少しずつ馴染んでいく時間でもあった。

何かを急いで完成させなくてもいい。

今日はここまで、と自分で決めてもいい。

そんな自由を、このプラモデルからも改めて感じたのである。

しかも、今回のキットは長男が残していったもの。

息子が途中まで作り、父が引き継いで完成させる。

考えてみれば、なかなか面白い親子の共同作業ではないか。

本人にそのつもりがあったかどうかは、知らんけど。笑

さて、次は?

完成したシナンジュ・スタインを眺めていると、早くも次の考えが浮かんでくる。

「さて、次はどの“めんどくさい”キットに挑戦しようか。」

どうやら私は、完成品を眺めるのも好きだが、苦労して作っている時間そのものが、もっと好きらしい。

見知らぬ、まだ出会っていないプラモデルの皆様。

安心してください。

作りますよ!

今は夏なので軽装で製作しているが、秋も深まる頃には「袖付き」の服でも着て、何かしらに挑戦していることだろう。

何せ、

「地獄を見れば、心が渇く」

のでね。

……たぶん。笑

シナンジュ横
シナンジュ上半身

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