54歳。ユニコーンガンダムに限らず、富野世代(いやいや、サンライズロボットアニメならほぼ制覇!)の我々はそのほとんど全ての作品を網羅し、先日も「巨人ゴーグ」の話を妻に熱弁したところでもあった。
さて、会社をたたんで、気が付けばもう半年以上が過ぎました。
「いやはや自由やな〜」と思っていたものの、人間というのは不思議なもので、時間がありすぎると逆に何をしようか迷うものです。それでも結構忙しく毎日を生きておりますがね。
そこに白羽の矢を立てたのが、長男が買い、ほんの初期段階でほっとかれた「作り、かけの〜、プラモ〜」である。
今まで数え切れないほどのキットを小学校1年生頃から作ってきましたが、今回制作するのは、”めんどくさい”ことで名高いあの機体。「見せてもらおうか、カトキハジメのデザインの性能とやらを」
MG シナンジュ・スタイン

箱を開けた瞬間に思いました。
「……これ、本当に1体分か?」
ランナーの山、山、これまた山。12機のリックドムを撃破したあの人でさえ、驚く多さです。
説明書ってこんなに厚くなるもんなの?操作マニュアルじゃん。

ページをめくるたびに「まだ腕?」「まだ脚?」と、自分と対話。ニュータイプになり損ねた私がそこにいる。
パーツを切り出してはゲート処理。
組んでは分解。
「あれ?このパーツどこ行った?」
私を踏み台にして、嘲笑うかのようにちいさくてなんかかわいい(略してちいかわ)なパーツがどこかへ…。
そして極めつけはデカール。
細かい。
とにかく細かい。

肉眼では点にしか見えないサイズを、息を止めながら貼る作業。
一枚貼るたびに肩が凝り、二枚貼ると老眼鏡が恋しくなり、三枚貼るころには「これ、修行だな…」と。
塗装はマットクリアーをスプレーして、仕上げはエアブラシ。昔はピースコンって言ってたよな…。コンスコンではないよ。ちなみに私は「タミヤ製」のエアブラシを愛用。

せっかく時間がある今だからこそ、質感には徹底的にこだわりました。まぁ、若さ(54歳だけど)ゆえの過ちかな。笑
フレームの金属感。
外装の落ち着いた光沢。
単調にならないように色味を少しずつ変え、陰影を付け、何度も吹いては乾燥、また吹いては眺める。
完成を急ぐより、「もっと良くなるんじゃないか」と自分と相談する時間の方が長かったかも。
「はい、今日はここまで。」
そんな贅沢な区切り方ができるのは、今だからこそ。慌てない慌てない、一休み一休み。あの屁理屈坊主の声が…。
半年という時間は、会社をたたんだ自分にとって一区切りでもありましたが、このプラモデルもまた、一つの区切りになった気がします。
そして、ついに完成。

机の上に堂々と立つシナンジュ・スタインを眺めながら思いました。
「頑張ったなぁ……。」
でも、そのすぐ後に浮かんだのは、
「さて、次はどの”めんどくさい”キットに挑戦しようか。」
どうやら私は、完成品も好きだが、苦労して作る時間そのものもお好きのよう。
見知らぬ、まだ出会ってないプラモのみなさん。
安心してください。作りますよ!今は夏なので軽装で制作してますが、秋も深まってくる頃には「袖付き」の服を着て何かしらに挑戦するでしょう。何せ、「地獄を見れば心が渇く」のでね。
……たぶん。


