こんにちは、僕は10歳のゴールデンレトリバーです。
毛は白くて、モフモフで、ふさふさ。
小さい頃から、この家で暮らしています。
父さんと母さんと、そして2人のお兄ちゃんたち。(上のお兄ちゃんは今は大学ってところに行ってていないけど)
僕にとっては、それが当たり前の毎日です。
今日も朝から雨、ここんところずっと雨。
窓の外を見ると、空はどんよりしています。
庭の木々も濡れて、道路には小さな水たまりができています。
雨が屋根や窓を叩く音も、いつもより大きく聞こえる。
こんな日は、家の中で父さんの見守り(監視~ストーキング)をします。笑
僕はソファや床で丸くなりながら、
「今日は、このまま寝ていてもいいんじゃないかな」
なんて思っています。
だって、雨の日のお散歩はちょっと憂鬱なんです。
散歩そのものは大好き。
父さんと母さんと一緒に外へ出るのも大好きです。
でも、帰ってくると濡れた足や体を拭いてもらわなくちゃいけない。
僕の毛は白くて、しかもモフモフ。
雨に濡れるとなかなか乾きませんし、顔は堅焼きシュークリームみたいになる。
昔はそんなこと、全然気にしませんでした。
雨だろうが何だろうが、
「散歩だ!」
となれば、喜んで飛び出していったものです。
でも僕も10歳。
最近は、いろいろなことが少しずつ変わってきました。

朝と夕方、1日2回の散歩
それでも僕は、毎日朝と夕方、1日2回のお散歩に行きます。
父さんと母さんと僕の3人です。
昔に比べると、歩く距離はずいぶん短くなりました。
以前なら、
「まだ帰らないよ!」
というくらい、どこまでも歩きたかった。
あっちへ行って、こっちへ行って。
気になる匂いがあれば立ち止まり、何か見つければ走っていく。
今思えば、ずいぶん元気だったんですね。
今でも階段は上れます。
坂道だって、ゆっくりなら大丈夫。
少しなら走ることもできます。
だから父さんと母さんは、
「まだまだ元気だね」
と言ってくれます。
僕も、まだまだ元気だと思っています。
でも、昔とはちょっと違う。
少し走ると疲れる。
長く歩くと、
「そろそろ帰ろうかな」
と思う。
でね、最近は、父さんと母さんも僕のペースに合わせてくれます。
あ、でも、う◯こはモリモリだよ。笑
ゆっくり歩くのも悪くない
昔は、とにかく前へ前へ。
散歩はランニングだと思っていた僕。
でも今は、ゆっくり歩くのが好きです。
父さんと母さんの横をテコテコ歩く。
時々立ち止まって、道端の匂いを嗅ぐ。
草の匂いを嗅いで、また歩く。
父さんと母さんの話し声を聞きながら歩く。
そんな時間が、なんだか心地いい。
若い頃には、早く先へ行きたくて気づかなかったこともあります。
道端の草の匂い。
風の匂い。
雨が降った後の土の匂い。
季節によって変わる空気。
歳をとると、散歩の楽しみ方も変わるんですね。
昔よりゆっくりになったけれど、これはこれで悪くありません。

雨の日は、やっぱり少し憂鬱
でも、雨の日はやっぱり苦手。
空がどんよりしているし、道路も草も濡れている。
そして僕の大切な白い毛も濡れる。
だから、
「今日は短目の散歩でいいんじゃない?」
と思うこともあります。
ところが、そんな日に限って僕は水たまりへ入ってしまう。
ペチャペチャ。習性ってやつかな?
濡れた草の中にも入ってしまう。
気がつけば、足もお腹もびしょびしょ。
父さんと母さんは、そんな僕を見て笑っています。
「雨、嫌いなんじゃなかったの?」
と言いたそうな顔。
僕にもよく分かりません。
雨は嫌い。
でも、雨の日の匂いは気になる。
濡れた草も気になる。
水たまりも、ちょっと気になる。
だから入ってしまう。
僕という生き物は、なかなか難しいんです。
最近のおしっこ事情
10歳になって、もう一つ変わったことがあります。
おしっこの仕方です。
僕は男の子なので、昔はおしっこの時に後ろ足を高く上げていました。
それはもう、
「僕は男の子だぞ!」
と言わんばかりに。
片足を高く上げて、
シャッ。
と、かっこよく。
ところが最近は、後ろ足が昔ほど上がらなくなってきました。
だから今は省エネです。
ちょっとだけ足を上げて、
「このくらいでいいかな」
としています。
10歳ですからね。
何でも全力でやる必要はありません。
ところが、この省エネ方式には一つ問題があります。
足をあまり上げないので、
おしっこをしたところに、
上げていた後ろ足が……
ペチャッ。
「あ……」
父さんと母さんを見ると、
「あ~、やっちゃった」
という顔をしています。
僕は、
「何のこと?」
という顔で、そのまま歩きます。
まあ、僕としては、それほど気にしていません。
でも、父さんと母さんが僕の足を見ながら、
「最近、足が上がらなくなったね」
なんて話しているのを聞くと、ちょっと複雑な気持ちにもなります。
父さんと母さんは、僕のことをよく見ている
10年も一緒に暮らしていると、父さんと母さんは僕の小さな変化にも気づいてくれます。
歩く速度。
散歩の距離。
疲れるタイミング。
階段を上る時の様子。
寝ている時間。
そして、おしっこの時の後ろ足まで。
僕は犬だから、
「今日はちょっと疲れたよ」
とか、
「今日は少しゆっくり歩きたい」
なんて、言葉では伝えられません。
まあ、もうお話ししようと思えばできるんですけどね!笑
でも父さんと母さんは、なんとなく分かってくれる。
僕が昔よりゆっくりになったことも、
走れる距離が短くなったことも、
たぶんちゃんと分かっている。
そして、何も言わずに僕の横を歩いてくれます。
それが僕には、とても嬉しいんです。

少しずつ、僕も歳をとっている
僕は10歳。
考えてみれば、結構な歳になりました。
小さい頃は、家の中を走り回っていた。
散歩に行けば、どこまでも歩きたかった。
階段も坂道も、何も考えずに駆け上がった。
今は、そうはいきません。
走ればすぐ疲れる。
長く歩けば休みたくなる。
後ろ足も、昔のようには上がらない。
雨の日には、
「今日は寝ていたいな」
なんて思うこともあります。
自分でも、
「僕、歳をとったんだな」
と感じることがあります。
少しだけ寂しい気持ちになる時もあります。
昔のように走れたらいいのにな。
もっと遠くまで父さんと母さんと歩けたらいいのにな。
そんなことを思うこともあります。
でも、悲しくはありません。
だって今でも、毎朝父さんと母さんと散歩に行ける。
夕方も一緒に歩ける。
階段だってまだ上れる。
坂道だって登れる。
少しなら走れる。
そして何より、家に帰れば父さんと母さんがいる。
それで十分です。

僕の幸せは、案外シンプル
僕は難しいことは考えません。
美味しいご飯があって。
父さんと母さんがいて。
お兄ちゃんたちがいて。
朝になったら散歩に行って。
夕方になったら、また散歩に行く。
疲れたら寝る。
起きたら、また家族がいる。
それだけで幸せです。
10年前、僕がこの家にやってきた時には、こんな未来になるなんてわかりませんでした。
ブリーダーさんのところでは、お父さんの跡を継いで種犬になる予定だった僕。
それが、今ではこの家でのんびり暮らしています。
どちらが幸せだったのか。
そんなことは僕には分かりません。
でも、
僕は今、とても幸せです。

今日も家族と、のんびり
今日も雨の中を、3人で歩きました。
帰ってくると、父さんと母さんが濡れた僕の足を拭いてくれます。
白い毛をタオルでゴシゴシ。
「はい、おしまい」
と言われると、僕はいつもの場所でゴロン。
雨の音を聞きながら、ゆっくり眠ります。
昔より、寝ている時間は長くなりました。
でも、目を覚ませば、そこには父さんと母さんがいる。
それだけで安心します。
これから先、もっと歩けなくなる日が来るかもしれない。
走れなくなる日も来るかもしれない。
いつか散歩の時間が、もっと短くなる日も来るかもしれません。
それでも、その時まで父さんと母さんと一緒に歩きたい。
晴れの日も。
雨の日も。
ゆっくりでいい。
僕の歩く速度に合わせてくれる家族と一緒なら、それでいい。
10歳になった僕には、今のこの時間が何より大切です。
僕は10歳。
今日も家族と一緒に、のんびり生きています。
