僕の朝は、父さんと母さんの寝室から始まる。
目が覚めたら、まずやらなきゃいけない仕事があるの。それは、高校生のお兄ちゃんを起こしに行くことだ。
みんなは僕のことを「我が家の三男坊」なんて言うんだけど、僕の思いはちょっと違う。
大学生のお兄ちゃんは、ちゃんと僕のお兄ちゃん。でも、高校生のお兄ちゃんとは、ほとんど一緒に育ってきた。だから僕の中では、あっちが弟なんだよね。
本当は僕が次男。ふふふ。
まあ、みんなが三男坊って言うから、そういうことにしておいてあげてるんだけどね。
目覚ましより強力な僕
お兄ちゃんの部屋に行っても、ワンワン吠えたり、布団に飛び乗ったりはしない。
僕は、もういい大人(10歳)だからね。
ベッドの脇まで行って、クンクンクンクン。寝ているお兄ちゃんのにおいを嗅ぐ。
すると、僕が来た気配でお兄ちゃんが目を覚まして、頭をなでなでしてくれる。それで「ああ、朝が来たんだな」ってわかるんだろうね。
目覚ましより、僕のほうが強力だって証拠だね。
だって僕は、うるさい音を出さなくても起こせるんだ。かわいいからね。

お兄ちゃんが起きたら、僕も父さんと母さんと一緒に下へ降りる。窓を開けてもらって、ウッドデッキからお庭へぴょん。
ここが僕の、広大な専用トイレなんだ。
片足をひょいっと上げて、じょぼじょぼじょぼ……。ふう、さっぱり。
お水を飲んで、ご飯を食べたら、朝の儀式はおしまい。いつもなら、ここでもうひと眠りするところなんだけど。
今日は、裸の父さんが僕を待っていた。
父さんと月に一度の異種格闘技戦
そう。今日は、月に一度のお風呂の日なんだ。
昨日はおうちで毛を切ってもらって、すっきりした僕。今日はさらに洗ってもらって、ピカピカになる予定だ。
昨日のおうち美容室の様子は、こちらのお話に書いてあるよ。父さんと母さんに、足先までまんまるにしてもらったんだ。
でね、僕は水が大好きだから、父さんとお風呂に入るのも楽しみなんだ。
前は、毛のない父さんの姿がちょっと気になっていたんだけど、最近はもう、すっかり見慣れた。
たまに父さんの足をぺろっと舐める。でも、父さんはお構いなしに僕をゴシゴシ洗ってくる。
こっちがぺろっ。あっちがゴシゴシ。
ちょっとしたプロレスだね。犬と人間の、異種格闘技戦。笑
そんなことをしているうちに、15分ほどで僕はピカピカになった。
お風呂から上がったら、今度は僕の番。
ブルブルブルブルッ!
母さんにいっぱい水しぶきを飛ばしながら、タオルで拭いてもらう。仕上げにドライヤーも当ててもらって、さっぱりだ。
洗う係は父さん。乾かす係は母さん。
僕は、洗われて、拭かれて、ときどきブルブルする係。
これはこれで、なかなか忙しいんだよ。

ひと眠りのつもりが、もう夕ご飯
乾かしてもらったあとは、お散歩へ。父さんの言うところの、仕上げの「自然乾燥」も兼ねているらしい。
いつものお散歩をして、ウ◯コも済ませて帰ってきたら、もう11時近くになっていた。
今日は午前中、ほとんど寝ていない。
朝はお兄ちゃんを起こして、お風呂では父さんと一戦交えて、お散歩にも行ってきた。なかなか働いたと思う。
それじゃあ、ちょっとひと眠りしようかな。
……と思っていたら、気がつけば、もう夕方だった。
さっきご飯を食べたばかりの気がするのに、もう夕ご飯だ。
寝ている間に、一日がずいぶん先へ進んでしまった。笑
これが、月に一度の僕のお風呂の日。
父さんと格闘して、母さんに乾かしてもらって、散歩に行って、寝る。
今日も、いい一日だった。
また明日も、起こしに行くよ
こんな毎日が、ずっと続けばいいなと思う。
でも、明日のことは僕にもわからない。だから今日も、父さんと母さんと、高校生のお兄ちゃんのそばにいる。
大学生のお兄ちゃんも帰ってきてくれたら、うれしいんだけどね。今は学校があるから、仕方ない。
来年の5月には帰ってくるみたいだから、そのときは、いっぱいなでてもらおうと思ってるんだ。
それまでは僕が、高校生のお兄ちゃんを起こしてあげないと。
本当は僕の弟なんだけど、その話は、まあいいか。
じゃあ、また僕の近況を報告するね。
今日はここまで。じゃ、寝るね。笑

僕の月に一度の予定には、お風呂のほかに病院もある。N-VANにはイヤイヤ、先生にはご機嫌だった日のお話も読んでみてね。