こんな派手なギター、誰が買うんだ?
「ピンクペイズリー」と聞いて、皆さんは何を思い浮かべるだろうか。
「ずいぶんと派手なギター」
「Charがピンクペイズリーのムスタングを使っていたのを知っている」
「いやいや、こんなの普通買わないでしょ」
などなど。
まあ、私自身も、まさか自分が所有することになるとは思ってもみなかったのである。
しかし、今回ご紹介する一本は、私の所有するギターの中でも、かなり稀有な存在だ。
Fender Custom Shop 1968 Telecaster Pink Paisley
Master Built by Dennis Galuszka

名匠デニス・ガルスカが手掛けた、『1968 Telecaster Pink Paisley』
派手なのに、なぜか渋い。
この不思議な魅力に、すっかりやられてしまったのである。
時間という最高のエフェクター
このギターの魅力は、何といってもそのカラーリングだ。
本来の鮮やかなピンクペイズリーとは少々異なり、赤みを抑えた絶妙な退色表現が施されている。
下地のシルバーと、経年変化を思わせるトップコートの黄変。
それぞれが見事に調和し、まるで長い年月を経たヴィンテージギターのような雰囲気を含んでいる

ヴィンテージそのものが「時間」という最高のエフェクターを通ったような、なんとも言えない存在感。
派手な見た目なのに、実に落ち着いている。
50歳を過ぎたおっさんには、実にちょうどよい。
いや、ちょうどよいと言いながら、なかなか派手ではあるのだが。笑
約2.85kg 抜群のバランス
重量は約2.85kg。
テレキャスターとしては、かなり軽量な一本である。
しかし、魅力は単に軽いということだけではない。
ネックとボディのバランスが非常によく、抱えた瞬間から実に心地よい。
「あぁ、こんな彼女が欲しかったなぁ……」
などと思わせてくれるのである。
※もちろん独身時代の話である。

指板ラディアスは9.5インチ。
フレットは6105 Narrow Tallを採用。
ヴィンテージらしいルックスを持ちながら、演奏性には現代的な要素が盛り込まれている。
そして、ピックアップにはハンドワウンドのTexas Specialセット。
私がこのギターを弾いて感じるのは、生鳴りの豊かさと、ピッキングに対する反応のよさである。
しっかりとしたアタックがありながら、どこか枯れたようなニュアンスも感じられる。
強く弾けば力強く、優しく弾けばそれに応えてくれる。
なんとも弾きがいのある一本なのだ。
アンプを通してもよし。
生音で楽しむもよし。
そして、ギタースタンドに立てかけて眺めるもよし。
これを肴に飲むビールが、また美味いのである。笑
見た目だけでは終わらない。音だけでも終わらない。眺めているだけでも楽しめる。
実に困ったギターである。
名匠デニス・ガルスカ

このギターを製作したのは、フェンダー・カスタムショップのマスタービルダー、Dennis Galuszka(デニス・ガルスカ)。
もともと家具職人として木材に向き合ってきた経歴を持ち、ギター製作の世界へ進んだ人物である。
木工技術を土台に、クラシカルなフェンダーの魅力と、独自の感性を組み合わせた楽器を生み出してきた。
ポール・マッカートニーやアンディ・サマーズなど、著名なミュージシャンに関わる楽器製作でも知られている。
私が彼のギターに感じるのは、単なるスペックのよさだけではない。
手に取ったときの収まりのよさ。
弾いたときの反応。
そして、眺めているだけで楽しめる存在感。
この一本には、それらが実にうまく詰め込まれているように感じるのである。
もちろん、ギターの好みは人それぞれ。
しかし、私にとっては、所有しているだけで嬉しくなる特別な一本なのだ。
1968 Telecaster Pink Paisley
私の所有する個体の仕様をまとめておこう。
1968 Telecaster Pink Paisley
| 製作者 | Dennis Galuszka |
| ボディ | 2-Piece Ash |
| ネック | Maple |
| ネックシェイプ | ’67 Tele |
| 指板ラディアス | 9.5インチ |
| フレット | 21 / 6105 Narrow Tall |
| ピックアップ | Hand-Wound Texas Special Set |
| コントロール | Master Volume / Master Tone |
| セレクター | 3-Position Blade |
| ブリッジ | 3-Saddle Vintage-Style |
| 重量 | 約2.85kg |
イケベ楽器にて購入

今回の一本、いつもお世話になっているイケベ楽器にて購入した。
ギターというものは、スペックや価格だけで決められるものではない。
実際に手に取り、弾いてみて、初めてわかることがある。
そして、なぜか買う予定のなかったギターを連れて帰ってしまうこともある。笑
楽器屋というところは、実に恐ろしい場所なのである。
今回も、よい一本に巡り合うことができた。
担当の〇〇〇さん、いつもありがとう。
大切に弾かせていただく。
……もちろん、眺めながらの美味しいビールも飲ませていただく。笑

反則級の一本
ピンクペイズリー。
このギターの存在を知った時には、正直なところ自分が所有するとは思っていなかった。
しかし、今では私のギターコレクションの中でも、特に気に入っていて、よく手に取る一本でもある。
軽くて、弾きやすく、音もよい。
そして何より、この独特な存在感。
ギターは、必ずしも見た目だけで選ぶものではない。
だが、見た目に惚れてしまうことだってある。
弾いて、眺めて、所有しているだけで、嬉しい。
そんな一本があってもよいではないか。
54歳。
まだまだ、ギターの奥深さには魅入られる。
さて、そろそろ一杯やりながら、こいつを眺めるとしよう。
本日も、よいギターとよい時間を。