【古着屋の利益率はどう決まる?】年商1億円超を経験した私が考える「仕入れ」「経費」に関するお話し。

古着と人生にまつわる.etc

これまで、19歳でジーンズショップに入り、24歳で独立するまでの話を書いてきた。

27歳で一度古着屋を閉め、俳優を目指して一路、東京へ。これを通して今の妻と出会うこととなり、その後、帰郷。妻と一緒にもう一度古着屋を始めた。

そして、ここからは24年間、古着屋を経営することになる。

さて、ここまで来たので、今回は少し閑話休題。

私が実際に会社を経営する中で、何を考え、どこにお金をかけ、どこを削ってきたのか。

少し具体的な数字も出しながら、私が行ってきた商売の仕組みについて書いてみようと思う。

これから副業やせどりを始めたい読者諸兄にも、何か参考になる部分があるかもしれないので乞うご期待。


経費について

一番大きな経費は人件費。言わずもがな、である。

売上に対して、おおよそ25%。1/4を占める。

次に大きかったのが、店舗や倉庫、事務所などの家賃で、こちらが約15%。

その他の経費10%も含めると、売上の約半分が「仕入れ以外」の経費として出ていく計算だった。

つまり、売上が1,000万円あったからといって、500万円が利益になるわけではない。

それは、そこからさらに『仕入れ』が必要になるからだ。

と、言うわけで、私(会社)にとって、仕入れは非常に重要な部分、と言うことになる。


仕入について

古着屋の商売は、

「いくらで仕入れて、いくらで売るか」

ここが大きなポイントになる。

※まあ、他の商売も皆そうであるが…。

例えば、ネルシャツを100枚、5万円で仕入れたとする。(全部使えると仮定して…まぁ、無いけど)

1枚500円、それを1,500円で販売すれば、仕入れ値は売価の3分の1になる。(消費税は面倒なので今回は割愛させていただく)

これだけでも悪くない。と言うより、ほとんどのお店がこんな感じでは無いだろうか?

※他を知らないし、調べようも無いので、申し訳ござらん。

しかし、である。

私はこの『仕入れ』に関して、もっと効率の良い方法はないかと模索した。

私の目標は大胆にも、仕入れを売上の10%以下にすることだった。

月商1,000万円なら、仕入れは100万円以下。

※この計算は仕入れ値から考えたほうが健全かもしれない。なぜなら、仕入れを1/10ととらえ、それを上回らないような経営規模にすれば、自ずとかける経費なども決まるので。

先ほど書いたように、人件費や家賃、その他の経費は売上の約50%が出ていく。

仕入れが売上の30%なら、単純計算で残るのは20%。

ここからさらに税金などもあるし、売れないダメな商品のことも考えなければならない。

会社経営として20%の利益は、決して余裕のある数字ではない。

だから私は、仕入れを徹底的に考え、先方と交渉した。


仕入5%、未知の世界

商売を続けていく中、私は、私の価値観を大きく壊してくれる、素晴らしい仕入れ先と出会った。

※これはまた別でお話ししよう。

この仕入れ先の社長さんのおかげで、仕入れ金額はその物量に対して、今までにないほどの数字をたたき出す。

私は早速、年契約を持ちかけ、仕入れ金額をとことん減らす作業をした。その代償として、ゴミ(袋を開けてみなければわからない状態)も含めて購入。ダメなものはこちらで処分(先方の手間を全部こちらで引き受ける)。さらに出た物量は全て私が占有させてもらう代わりに、先方に迷惑をかけないと約束もした。

先方は私一社と付き合えば良いので、年間のコストや販売の心配もかなり軽減する。

要はWin-Winの関係を構築できたのである。

この方法で、仕入れを除けば、売上の95%が残る。と言う商売方法を編み出した。

もちろん、これは利益が95%という意味ではない。

そこから人件費、家賃、その他の経費、税金などを支払う。

それでも、仕入れが5%という数字は、経営にとって非常に大きかった。約45%が利益につながるからだ。

また、時にはお宝が山ほど出て、売上に対して、仕入れが0.8%と言う驚異的な数字を出した時もあった。

ただし、安ければ何でもいい、と言うわけではない。

安くても売れなければ在庫になる。

ここには常にリスクを孕む。

しかし、経営者として必要なのは、どれだけリスクを取りにいけるか、そしてリスクを許容できるか。

大量に仕入れた物を物として扱わず、商品ひとつひとつに手をかけ、その価値を磨き、お客様が納得できる金額で販売すること。これこそが商売の基本であると、リスクを通して痛感した。


捨てるものの価値

大量に古着を仕入れていると、当然、販売できないものは出てくる。

普通なら捨てる。

しかし私は、そこで終わらせなかった。

「これが何かに使えないか」「どこかで必要としてはいないか?』

いつもそんなことを考えていたし、会社にとっての無駄は省きたかった。

仕入れたものの中には、そのままでは当然、商品にならないものもある。

しかし、別の用途になら使える場合がある。

本来なら処分費用がかかるものを、逆にお金に変えることはできないだろうか…。

ゴミをお金に変える(現在のWaste Transformation:WXと同じ考え方)これも商売だった。

商売というのは、100万円で仕入れたものを150万円で売るだけではない。

他の人が価値を感じていないものに価値を見つける。

そこに商売の面白さがある。

そして、そこにも商機はあったのだ。

ゴミを引き受けてくれる会社が「海外」と繋がっていた。(このお話も、またしたいと思う)


半年先を見る

会社の経営は、目の前の売上だけを見て仕入れをしていれば良いわけではない。

半年先、さらには1年先を見て仕入れをする。あればなんでも買う。笑

半年分の在庫があれば、ある程度先の売上も予測できるし、シーズン別で管理もできる。

なんでも扱う、と言うことは考えを柔軟にしておかなければならない。

また商売は、その月だけを見ていてはいけない。

半年後、1年後に会社は何を売っているのか、また、自分はどうなっているのか?

そこまで考えて仕事をしていると、視野はかなり広がる。


流行は自分で作り出す

新品の洋服屋であれば、世の中の流行を追うことも大切である。

しかし、古着屋は少し違う。

古着には古着の価値観がある。

私は、流行っているものを追いかけるだけではなく(知識としてインプットはするが…)「自分の店なら、これを面白いと思う」という価値観を大切にしていた。

それを続けていると、少しずつ店そのものにファンがついてくる。

商品の入荷やセール、店のイベントなどで、店の前に長い列ができることもあった。

今思えば、唯一無二の、自分の店の価値観を発信していたのだと思う。

「この店に行けば面白いものがある」

そう思ってもらえること。

それが、私の店の強さになっていった。


販路

店舗では、スタッフがお客様と直接話をする。

商品を見てもらい、試着してもらい、買い物そのものを楽しんでもらう。

だから、店頭スタッフにはそれなりの人材を起用した。

一方で、高額なヴィンテージやマニアックな商品、季節性の強い商品はECで販売する。

今では当たり前になっているが、当時から私は販売場所を使い分けていた。

今でいう「メ◯カリ販売」に近いことも、かなり早い時期からやっていた。

商品には、それぞれ向いている売り方がある。

店頭で売るべきもの。

全国のマニアに向けて売るべきもの。

その違いを考えることも、商売の一つだったし、これはハマると面白かった。




年商3,000万円から1億2,000万円

妻と二人で経営していた時から、2026年上半期まで。

会社の年商は、おおよそ3,000万円から1億2,000万円の間だった。

好調な年もあれば、そうでない年もあった。

それでも、一度も赤字にはしなかったし、赤字にならなかった理由も山ほどある。

売上だけを追いかけるのではなく、仕入れと経費を常に把握していたからなのは言うまでもないが、先ほどお伝えした、1/10以下での仕入れ方法が功を奏し、売上目標を設定した上で、それに伴う経費を計上できたからに他ならない部分である。

さて、利益が出れば税金も増える。

そのため顧問税理士に相談しながら、法律の範囲内でできる節税についても勉強した。

※この勉強は一生涯の私の財産でもある。


最後は「人」

仕入れ。

人件費。

家賃。

在庫。

EC。

利益率。

経営には数字がついて回る。

しかし、30年以上商売を続けてきて、最後に感じるのは、

結局、商売は人だった。と言うこと。

仕入れ先の社長。

スタッフ。

お客様。

取引先。

そして、一緒に会社をやってきた妻。

どれだけ安く仕入れることができ、良い商品に恵まれても、人を大切にしなければ商売は続かない。

残念ながら、その基本中の基本ができない人も大勢見てきた。

商売自体、数字だけでは動かない。

人との信頼があって、初めて続いていくものだった。


副業を始める方へ

私がやってきた方法が、これからの時代に通用するとは思っていない。(ついこの間までは大丈夫だったが…)

市場も、販売方法も、仕入れ方も、私のやり方とは時代と共に大きく変わっている。

それでも、商売の基本はそれほど変わっていないし、変わらないと思う。

安価で仕入れる。

商品の価値を知る。

売れる価格を考える。

経費を把握する。

そして、最後にいくら残ったのかを見る。

月5万円、10万円の副収入を目指すのであれば、最初は小さく始めればいい。

売れた金額だけを見て、

「10万円売れた!」

と喜んではいけない。

仕入れはいくらだったのか。

送料はいくらか。

手数料はいくらか。

最後にいくら残ったのか。

そこまで計算して初めて利益になる、と言うこと。


古着屋稼業30年

特別なことをしてきたつもりなど、私にはない。

基本的な商売を愚直に、ただひたすら繰り返す。

結局は、その積み重ねだった。

妻と一緒に古着屋を経営していた時代から、2026年上半期まで。

年商3,000万円から1億2,000万円。

数字だけを見ると、それなりに大きく見えるかもしれない。

しかし、私自身は、日々、自分の業務に邁進して来ただけだった。

楽しんで商売をしていただけだったのだ。

派手な方法など何もない。

地味な作業の積み重ねである。

そして、54歳になって会社経営を終えた今、昔を振り返ると、様々なことが胸に去来する。

このブログでは、これからも古着屋時代の事や、ちょっと変わったお客様との出会い、面白い業者さん、そして最後に出会った大きな仕入れ先の社長さんなどについて書いていく。

なぜ、そこまで安く仕入れることができたのか。

そして、なぜ私は「仕入れが商売の基本」だと考えるようになったのか。

次回は、そのあたりをもう少し詳しく書いてみようと思う。

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