高校2年生になる次男の三者面談に行ってきた。
私立高校なので、話の流れは最初から最後まで「内部進学」が前提である。
あ、いや、とても良い先生よ。うん。
法学部という名の営業説明会
先生曰く、
「今の成績なら、大学でも花形の法学部が狙えます」と私に。
「今の成績なら、法学部を狙っていかないとな!」と次男に。
熱い熱い先生のオンステージは、さらに続く。
「法学部は就職率もいいです」と私に。
「卒業後の選択肢も広いです」と私に。
「OB・OGの人脈も豊富です」と私に。
気が付けば、三者面談というより法学部営業説明会である。
あ、いや、とても良い先生よ。うんうんうん。
私は、
「なーるほど、そーんなにいい学部なんですねー」
と笑顔で頷いてはいたものの、頭の中ではスーパーコンピューター並みの演算が始まっていた。
学費はいくらだ……。
生活という名の電卓、頭の中で鳴り響く
もし自宅から通えるならありがたい。
あ、でも新幹線の定期代が……。
だが、本人が「一人暮らししたい」と言い出したら?
家賃。
光熱費。
食費。
家具家電。
仕送り。
長男で経験済みではあるが、なかなか大変なのも、これ事実。
おまけに、何かと話題の物価高、インフレでもある。
先生の話を上の空で聞きながら、私は頭の中で、生活という名の電卓を高橋名人が如く連打していた。
もはや16連射どころの騒ぎではない。
炎のコマ、出来んじゃね?
というスピードである。
長男は異国の地で大学生活を満喫中
一方、長男はというと、遠く離れた、もはや我が家からすれば「異国の地」で大学生活を満喫中である。
送られてくる写真や動画には、楽しそうな笑顔、素敵な友達、サークルのイベント、青い空。
そして、その向こうに確かにいる某国の艦隊を忘れさせるくらい、エメラルドグリーンに輝く海……。
などなど。
「身体は大丈夫なのか? 元気なのか?」
そんなことを思いながらも、楽しそうな姿を見ると、それはそれで親としてはうれしい。
親元を離れ、自分の世界を広げていく。
そんな息子の姿を見られるのは、ありがたいことである。
だから次男にも、自分が行きたい場所で、思い切り大学生活を楽しんでほしい。
法学部でもいい。
別の学部でもいい。
なんなら、他の大学でも全然いい。
4年間でたくさん学んで、たくさん遊んで、たくさん友達を作ってくれれば、それが一番だと思っている。
一つだけお願いがある
大学生活を楽しむのは大歓迎である。
でも、その楽しさを支えているのは、毎月黙って口座から旅立っていくお金たちだということを、時々でいいから思い出してほしい。笑
そして、そのお金を作ってきたのは、ほかでもない我々、おまえさんたちの父と母であるという事実も。
もちろん、恩に着せるつもりはない。
いや、ほんの少しは着せたいかもしれない。
せめて、たまには元気な顔を見せてくれれば、それで十分である。
……あ、あと奨学金なんかも取ってくれると、父は非常にうれしい。
うん。非常に。
父の老後は、邯鄲の夢なのか
息子たちは夢を追いかける。
先生は法学部への内部進学を勧める。
妻は「好きなところへ行って楽しめばいいよね」と優しく微笑む。
そして私はというと――。
今日も一人、このブログに暦を刻みながら、これからの家計と老後の生活を思い描く。
会社を閉めて、ようやく手に入れた自由な時間。
朝はコーヒーを飲み、犬と散歩をし、好きなことをして暮らす。
そんな穏やかな老後を思い描いていたはずなのだが……。
「仕事辞めんの、早すぎたか!?」
なーんてことを思った、三者面談なのでした。
いやいや、まだまだ人生これからである。
息子たちよ、思い切り羽ばたいてくれ。
父は父で、もう少し電卓を叩いてみることにする。笑