54歳が広報誌で出会った〜
50代に入って、弓道を始めた。
……いや、正確に言えば54歳である。
「50の手習い」というには、ちょっと遅い気もするが、さてお立ちあい。
今は「人生100年時代」というが、私はそんなに生きるつもりは全くない。
なぜなら私は、息子たちに生命保険を残すことを、残りの人生の楽しみにして生きる男だから、だ。
あまり長生きしてしまっては、申し訳がたたない。笑
まあ、しかし、そんな時代ならば、私はまだ人生の半分くらいしか来てないみたいなので、何か新しいことを始めてもいいじゃないか。
そんな思いで2026年4月、弓道を始めた。
しかも、きっかけは「家に弓道具が全部あったから」
なんとも『人の牛蒡で法事する』的ですまぬ。

弓力は18キロ、二張もある。

息子曰く、「これは良いものだ〜」だそう。

「かけ」これ、かなり大事。
なぜ我が家に弓道具が?
理由は長男である。
長男は高校時代、3年間弓道部に所属していた。
3年間しっかりと弓道に打ち込み、最後には部長まで任された。
高校在学中に弐段も取得した。
参段の審査も2回ほど受けたが、そこは高校生。
なかなか簡単にはいかなかったようで、弐段までで高校生活を終えた。
そして大学へ進学した長男。
弓道具は大学へ持っていかなかった。
その結果……
全部、我が家に残った。
弓、矢、弓道着、袴、その他いろいろ。ホントに色々。
「全部良いものだから置いといて」とマ・クベ的ご意見を残し、一人暮らしへと去っていった。
そんな感じでこの道具たちが置かれてあったのだと思う。
まさか数年後、父親が使うことになるとは…。素人が見てもステキに見えるこれらはやはり、「全て良いもの」だったのだろう。

長男より譲り受けたる教本。その第一巻。
何か新しいことを始めよう
2026年、私は会社経営を終え、54歳での現役生活にピリオドを打った。
これからは、自分の好きな時間に、自分のやりたいことをする。
そんな生活を始めることにした。
ブログを書いたり、ギターを弾いたり、読書をしたり。
犬の散歩をしたり、コーヒーを飲んだり。
以前からやっていたことも、余裕を持って行うと見える景色が違う。
そしてその中で、ひとつだけ思っていたことがある。
「せっかく時間ができたんだから、何か新しいこともやろう」と。
しかし、さてどうしよう…である。
50代にもなると、ゼロから新しいことを始めるには、意外とハードルが高く感じてしまう。
若い頃なら、勢いだけで飛び込める。
ところが50代にもなると、
「うーん、今さらかぁ……」
という気持ちが、どこかに出てくる。
ONE DAY。
すべては妻から始まった
2026年3月。
我が家に市の広報誌が届いた。
私はいつものように、知り合いの市議会議員が書いている市議会だよりだけに目を通し、メインの広報誌はほとんど見ていなかった
ところが妻は、私のスルーした広報誌を見て突然、
「ねぇ、弓道教室が始まるみたいだよ」
と言う。
「弓道?」
私は一瞬考えた。
そして我が家にある弓道具を思い出した。
……ある。
全部ある。しかも(長男曰く)良い道具が。
「行ってみたら?」
妻の一言。
これが始まりだった。
あの日、ベムラーが湖に現れ、ウルトラマンが地球に飛来したように、だ。
最初はどうしようか迷った。
54歳のおっさんが、今から弓道?
しかも経験ゼロ。
でも、会社も閉めて時間はある。
そして何より、
長男が見た景色を見ることができるかも…
そこで私は、一念発起。
まずは弓道教室の前段階となる体験教室へ行ってみることにした。
射法八節、正射必中
体験教室に行ってみると、先生方は当然、弓道着に袴姿。
そして弓を引く。
これが……
とてもカッコいい。
以前から長男の弓道部には何度も足を運んでいたので、高校生が弓を引く姿は見慣れていた。
でも、大人が弓を引く姿はまた違う。
男性も女性も、静かに弓を構える。
道場には独特の空気がある。
大きな声を出すわけでもない。
派手な動きがあるわけでもない。
研ぎ澄まされている。
そして矢が放たれ、私の心も完全に射抜かれた。
私はすっかりやる気になってしまい、入部を決断。
54歳のおっさんは、4月から正式に弓道教室へ通うことになった。

弓道とは
足の位置。
姿勢。
呼吸。
弓の持ち方。
手の内。
体の向き。
そして「体配」。
覚えることが山ほどあることはわかっていたのだが、そのどれもが『自分との対話』であった。
弓道には「射法八節」という基本動作があり、全日本弓道連盟でも「足踏み」「胴造り」「弓構え」「打起し」「引分け」「会」「離れ」「残心」の一連の流れとして説明されている。(全日本弓道連盟)
つまり、
「弓を引いて的を射る」だけでは全然ない。
相手が対人や動くものなら言い訳も出来る、が、的は動かない。
全てが『自分の責任の上に成り立つ武道』であった。

週1回の教室、自主練習の大切さ
私の場合、アドバンテージがあった。
何しろ、道具が家にある。
流石に矢を射るわけにはいかないが、「体配」の修練は積める。
長男のおかげである、「良い物」があるから、ね。
教室は週1回。
そのため、その日に教えてもらったことを家に帰ってから復習する。
(19時〜21時までの講義)
※私は夜が苦手なので、その日は就寝するのだが…。
朝起きて、昨日の復習。
会社経営をしていた頃なら、週1回の教室に行くだけで精一杯だったかもしれないが、今は違う。
時間だけはたっぷりある。笑
人生で初めて、
「時間がある」ということが、こんなに贅沢なことなのか…と、心に沁みてわかった。
全20回に及ぶ教室終了間近
さて、この記事を書いているのは2026年9月。
4月から始まった弓道スクールも、いよいよ残り数回となった。
最初は軽い気持ちで参加した人もいた。と思う。
ところが回を重ねるにつれて、みんな真剣になっていった。
周りの空気がそうさせたのかもしれないが、なにしろ覚えることが多いので、それができないとやっぱり面白くない。
だから皆、自然と練習する。
私も同じであり、まだまだ皆と同じ初心者。
「弓道をやっています」と声を大にして言うには、ちょっと恥ずかしい。
しかし面白い、私はこの先も続けることにした。
教室の全日程が終了したら、先生方が所属する弓道会に入る予定である。
社長を辞めたら部長になったお話
教室も終わりが近づいてきたある日。
思わぬ話が私のところへやってきた。
「スクールが終わったら、みんなで懇親会をやりたいんだけど……」と、先生。
ここまでは普通である。
問題はその次。
「皆さんをまとめて、会場を手配してもらえませんか?」
……。
私が、ですか?
どうやら、宴会部長に任命されたらしい。
確かに、スクールの中では年齢的にもそこそこ上。
そして先生方、私が会社経営をしていたことも知っている。
最初の自己紹介でお伝えしているので…。
しかし元、とはいえ、社長だった私が部長へまさかの『降格』笑。
人生、本当に何が起こるかわからない。笑笑
20人+先生方。昭和、再び
今回の弓道スクールは、年齢層もかなり幅広い。
下は高校生。
上は私たち50代、60代手前くらい。
先生方は50代から70代。
生徒だけでも約20人。
先生方を含めれば30人弱になる。
さて、ここからが私の仕事だ。
人数、時間、日にち、料理、飲み放題、高校生問題に料金。
そもそも30人近くの大所帯。
……。
なんだか、会社を経営していた頃と、やっていることがあまり変わっていない気がする…。
あー、私は結局、こういうことが好きなんだ、と改めて実感。
と、これを書いている頃にはすでに会場は決定。
私は昭和47年生まれ、お手のものだ。(根拠は全くない。笑)
金額、料理、飲み放題も確保。高校生の参加問題も解決した👍
弓道を始めたはずなのに、気がつけば宴会の段取りをしている。
これもまた人生であると同時に、人との出会いが、私を新たな世界へと連れて行ってくれる、と言う一例に他ならない。
遅くはない、始めたら始まりだ
今回、弓道を始めてみて思った。
50代からでも、何かを始めることはできる。
もちろん、若い頃と同じようにはいかない。
覚えるのも遅いし、身体も思ったように動かない。
次の次の日には筋肉痛になる。(1日遅れでね…)
しかし、それでもいいと思う。
段位を取得するためだけに始めるわけではない。
新しいことを覚え、知らない人と出会う。
同じことに興味を持つ仲間ができる。
そして、今まで知らなかった世界を知る。
それだけでも十分面白い。
全日本弓道連盟も、弓道は経験や道具がなくても始められ、基本的に年齢や性別の制限はないと案内している。(全日本弓道連盟)
最初の一歩は小さい、しかし大きな前進
私の場合、その最初の一歩は妻の、
「弓道教室があるみたいだよ」だった。
もしそのとき、
「いやいや、54歳だから」
「今から弓道かぁ」
「忙しくなるかもしれないからやめておこう」
などと言っていたら、今の私はない。
もちろん、弓道を始めなかったからといって、人生がどうにかなるわけではない。
しかし、
「やってみたら、思った以上に面白かった」これ大事。
今まで気になっていたけれど、時間がなくてできなかったこと。
ちょっと興味はあったけれど、恥ずかしくてできなかったこと。
「いつかやってみたい」と思いながら、そのままにしていたこと。
人生には、そういうものが意外とたくさんあるのかもしれない。
ゆっくりでいい、一歩一歩、歩いてゆこう。
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なるほど、と感心する内容が盛りだくさん👆
やりたいことのオンパレード!
会社を終えてから、私はやりたいことがまたまた増えてしまった。
ブログ、ギター、読書、ワンコとの時間などetc…。
そして今回さらに、弓道も加わった。
忙しく会社を経営していた頃には、到底不可能な事、中途半端になってしまう事ばかりだ。
それが今では、「次は何をやろうか」などと考えている。
54歳。確かに若くはない。
しかし、人生の中では今日が一番若い日でもある。
未来には少しだけ思いを馳せ、『今』を自由に生きる。
小学生の頃、考えていた「自由に生きる」は80%くらい達成できているのかもしれない…。
弓道シリーズ、始めます
というわけで、突然だが、
「54歳、弓道を始めてみた」シリーズ
を、このブログで始めたいと思う。
今回は第1弾。
これから実際に弓道を続けていく中で、
「50代のおっさんが弓道を始めると、こうなる」
というリアルなところを書いていきたい。
上達するのか。
段位は取れるのか。
そして宴会部長として、無事に懇親会を成功させられるのか。などなど。
そのあたりも含めて、楽しみながら書いていこうと思う。
50代からでも、新しいことは始められる。
必要なのは才能ではない、最初の一歩を踏み出す勇気。
54歳の一歩。
果たして、何歩ほど歩けるのか…。このブログで見守っていただけたのなら、幸いである。
関連リンク・動画
弓道を知らない方にも分かりやすいように、私が参考にしたものをいくつか。
■ 全日本弓道連盟「弓道を始めたい方」
弓道は経験や道具がなくても始められること、見学や体験の方法などが紹介されている。
■ 全日本弓道連盟「射法について」
弓道の基本である「射法八節」を確認するなら、まずここ。
■ 初心者向けの射法八節動画
これをすれば上達する!弓道初めて1ヶ月目でしたほうがいいこと〜射法八節〜
高校生向けの弓道動画もあり、射法八節の動きを映像で確認するのに分かりやすい。
弓道を始めるなら、最初から道具を買う必要はない
これは私自身もこれから勉強していくところだが、初心者の方は最初から弓や矢を一式買う必要はない。
全日本弓道連盟によれば、初心者用の弓具を用意している道場も多く、上達に合わせて弓や矢、弽、弓道着などを揃えていけばよい。(全日本弓道連盟)
特に自宅練習で面白いのが「ゴム弓」。
実際に矢を放たず、射法八節の動作を繰り返す練習に使える。