【沖縄珍道中・2日目】バスの車内放送が全くわからないが、沖縄の言葉は優しくて大好きな話。

二人の息子と間にワンコ。夕陽に向かって座ってる後ろ姿 子どもにまつわる.etc

沖縄珍道中、2日目。

「飛行機の遅延を経て長男と合流した初日の話は、こちらに書いている。」

さて、長男と過ごす沖縄で、あんなところへ行った、こんなところへ行ったと紹介したいのは山々であるが、観光名所の詳しい話は、いろいろな方が書いているし、ガイドブックにもたくさん載っている。

そこで今回は、長男と私が移動の途中で出会った、沖縄の暮らしの中にある言葉の話をしてみようと思う。

名所を回るだけでは気づかなかったかもしれない、ちょっと面白くて、なんだかあたたかい沖縄である。

沖縄の路線バスが面白い

読者諸兄は、沖縄でバスに乗ったことがあるだろうか。

観光系のバスではなく、地元の方が普段の移動に使う路線バス。

街の中を走っている、あれである。

今回、私がいつも気になっているバスの車内放送についてお話ししよう。

この車内放送、次の停留所や終点、席の移動についてなどを知らせる案内が流れる事は、読者諸兄もご存じだと思う。

ところが、今回乗った沖縄の路線バスでは、標準語の案内に加えて、ウチナーグチも聞こえてきた。

標準語のところはわかる。当たり前だが。

しかし、ウチナーグチ(沖縄の言葉)になると……。

さっぱり、まったく、わからない。

同じ車内で放送を聞いているはずなのに、急に耳だけ海外旅行に出かけたような気分になる。笑

『え!?』と思って耳を澄ましても、聞こえてはいる。ただ、意味が追いつかない。

普段なら聞き流してしまうバスの案内が、沖縄では立派な旅の思い出になってしまう。

バスの車内で放送を聴いている父と息子。

バスの案内を少し整理してみた

どんな案内だったのか、読者諸兄にも少し紹介したい。

ただ、私の耳では聞き取りが追いつかなかったので、ブログ作りでお世話になっているAI従業員の「アイさん」に、手元の文例を使って整理を手伝ってもらった。

バスの案内の内容を標準語で短くまとめると、こんな具合である。

運賃の小銭や両替は、お早めにご準備ください。
お年寄りなど、席を必要とする方には席をお譲りください。
バスが完全に止まるまで席を立たず、終点では忘れ物をご確認ください。
ご乗車ありがとうございました。

どれも、日本全国のバスでおなじみのお願いだ。

その案内に登場するような言葉を、ウチナーグチと並べてみると、こうなる。

「よろしくお願いします」
→「ゆたしくうにげーさびら」

「終点、〇〇です」
→「終点、〇〇でーびる」

「ありがとうございます」
→「にふぇーでーびる」

※標準語の案内は内容を要約したもの。ウチナーグチは手元の文例から短い表現を抜き出した比較例で、当日の放送の正確な書き起こしや、バス会社の公式放送原稿ではありません。

「終点」はわかる。

「〇〇」も、知っている地名ならわかる。※もちろん地名にも一癖二癖アリアリ。笑

ところが、その先で急に、耳が迷子になる。

「ありがとうございます」が「にふぇーでーびる」。

文字で並べても、私にはなかなか結びつかない。

これが長い案内になり、自然な速さで流れてくるのだから、私の頭の中の通訳係は大忙しである。

……いや、通訳できていないので、忙しいふりをしているだけかもしれない。笑

しかし、不思議と、わからないことが楽しいし、心地よい。

窓の外の景色だけではなく、車内に流れる言葉や音楽からも、沖縄へ来たことを実感する。

かつてここに琉球王国があったのだなぁ、と、そんなことまで思い浮かんだ。

ここで歴史を語り始めると長くなるし、詳しい方を前に私が解説するのも釈迦に説法だろう。

今日は歴史の授業をするより、この耳で感じた驚きを、そのままブログに記し、読者諸兄にお送りしたい。

おじぃとおばぁの会話は笑顔が似合う

バスを降りて歩いていると、今度は沖縄のおじぃとおばぁ(かなりご高齢)が、2人で話しているところに出会った。

なんとなく耳を澄ましながら近づいてみても、これがまたなんのことやら、さっぱりわからない。聞き慣れない言葉が、自然な調子で行ったり来たりしている。

もちろん、お二人にとってはいつもの会話である。

隣を通る54歳のおっさんが、勝手に驚いているだけなのだ。

でも、お二人とも笑顔だった。
どんな話なのかは、もちろんわからない。今日の出来事なのか、昔の思い出なのか。
それでも、楽しそうに話すお二人を見ていると、こちらまで笑顔になってしまう。

言葉はわからなくても、この笑顔の意味だけはわかる。

会話の内容を理解できたわけではないのに、こちらまで、なんだか妙に気持ちがほぐれた。

沖縄の人のあたたかさを、こういう何気ない場面で感じるのだなぁと思った。

おじいとおばあの何気ない会話。横を通る父と息子。

私が好きな「〜しましょうね」

沖縄で耳にする言い回しに、私がとても好きなものがある。

「〜しましょうね」

この、最後に「ね」がつく感じがいい。

私の感覚だと、「しましょう」と言われれば、一緒に何かをするお誘いのように聞こえる。

ところが沖縄では、**「私が〜しますね」**という、自分の行動を伝える意味でも使われるそうだ。

たとえば、「そろそろ帰りましょうね」なら、「私はそろそろ帰りますね」という意味になることがある。

一緒に帰る準備を始めてしまいそうだが、そこは落ち着こう、私。笑

「こちらで温めましょうね」と言われたら、お店の方が温めてくれるということ。こちらに「温めてください」とお願いしているわけではないのである。

同じ日本語に聞こえるのに、使い方が少し違う。

こうした言い回しは、昔からのウチナーグチそのものとは区別して、沖縄の日本語である「ウチナーヤマトグチ」として説明されるものだそう。私はあの柔らかい響きが好きである。

「します」ときっぱり終わるよりも、「しましょうね」と、こちらにそっと声をかけてくれる感じ。

少なくとも私の耳には、そんなふうに聞こえる。

言葉の意味を知ったら、その響きが、もう一段好きになった。

沖縄には暮らしの中に音がある

旅に出ると、つい「どこへ行ったか」「何を食べたか」を書きたくなる。

もちろん、それも楽しいし、良いだろう。

しかし今回、私が読者諸兄にお伝えしたかったのは、移動中のバスの放送や、道端で交わされる会話だった。

息子と合流し歩くこの土地には、それぞれの日常があって、その周りには当然ながら地元の方々の暮らしがある。そこを少しだけ、親子で覗かせてもらっている。

そう思うと、いつもの路線バスも、道端の何気ない風景も、私にはちょっと特別に見えてくる。

ウチナーグチは、まだほとんどわからない。でも、わからないままでも心に残るものがあることは、よくわかった。

沖縄珍道中、2日目。

今日は長男と、沖縄の言葉と笑顔に出会った一日でもあった。

夜になると、どこからともなく三線の音が聞こえてくる。
……もう23時をとっくに過ぎているが。笑
酔っ払ったおじぃが『唐船(トウセン)ドーイ』でも弾いているのだろうか。
姿は見えないが、ついそんな場面を想像してしまう。

明日からのブログも、沖縄の生活に根ざしたものが書けたらいい。

それでは、このあたりで筆を置きましょうね。

……覚えた言葉は、すぐ使いたくなる54歳である。笑


言葉の意味の参考:
OKINAWA41「うちなーぐちの意味や例文を解説!」
沖縄県立図書館のレファレンス事例「〜シヨーネ、〜シマショーネ」
沖縄ファミリーマート「沖縄の言い回し辞典」

息子と沖縄の街を歩く父。

「出発前の荷造りから始まった今回の父子旅。準備の段階から、すでに珍道中の気配はあった。」

沖縄珍道中は、まだ続く。今度は長男とコザへ。テレビで見たスナックを探しに行ったはずが、最後は定食に圧倒されることになった。笑
→ 沖縄珍道中・コザ編はこちら

タイトルとURLをコピーしました