今日は10月12日、月曜日。スポーツの日である。
この3連休を京都と奈良で過ごした次男が、新幹線で帰ってくる。
私は最寄りの新幹線駅まで迎えに行く予定なのだが、さて、無事に帰ってこられるのであろうか。
いや、新幹線は線路の上を走ってくる。乗る列車と降りる駅さえ間違えなければ、ちゃんと着くはずなのだが……。送り出した親という生き物は、どうも余計なことまで考えてしまうようだ。笑

兄から京都集合のお誘い
話の始まりは、7月だったか、8月だったか。歳とともに忘れっぽくなっている私である。
自宅を離れ、大学に通う長男から、次男へライブに行かないかという誘いがあった。
お目当ては、「ずっと真夜中でいいのに。」のライブ。長男が申し込んだ抽選で、チケットが3枚当たったらしい。
そこで、長男、次男、そして長男の大学の先輩。男3人で出かけることになった。
会場は奈良の平城宮跡歴史公園だが、集合は京都。
長男は飛行機で大阪の伊丹空港へ向かい、そこから京都へ移動する。一方、次男は新幹線で一路京都へ。
同じ家で育った兄弟が、それぞれ別の場所から出発し、旅先で落ち合う。
ついこの間まで、親が二人まとめて連れて歩いていた気がするのだが、いつの間にやら、そんなことをするようになった。
外国からの旅行者も多く、人でごった返す京都駅。あの大きな駅で、兄と先輩を探して合流するところから、次男の旅は始まったのである。

平城宮跡で「ずっと真夜中でいいのに。」
今回の公演は、特別公演祭 LEGACY ZOMBIE LABO「文禍伝雷」奈良・平城京。
2026年10月10日(土)・11日(日)に、奈良の平城宮跡歴史公園・中央区朝堂院の特設野外会場で開催された。
ずっと真夜中でいいのに。は、作詞・作曲・ボーカルを担うACAねさんを中心とするバンド。略して「ずとまよ」と呼ばれている。
名前だけを見ると、早寝早起きの私には、ずっと真夜中のままというのは、なかなか体力が要りそうに思える。つい、音楽より先に翌朝の心配をしてしまうあたりが、オヤジである。笑
今回の催しはライブだけでなく、屋台やワークショップなどを楽しめる「祭Area」も設けられていたらしい。奈良の歴史や文化にも触れられる、文化祭のようなイベントだったようだ。
昔の都があった場所で、今の音楽を聴く。なかなかに素敵ではないか。
歴史の授業とライブが、思いがけないところでつながっている。本人たちがどこまで歴史を感じていたかは、帰ってきてから聞いてみようと思う。
私は会場には行っていないので、セットリストやステージの様子はまだわからない。
どんな曲で盛り上がったのか。3人で何を食べたのか。そんな話を聞くのも、今回のお迎えの楽しみである。
公演の詳しい情報は、ずっと真夜中でいいのに。の公式特設ページに掲載されている。

※イラストは旅の様子をイメージしたもので、実際の公演風景とは異なります。
実は土曜日は学校があったのだ
ところが、この旅には一つ、親として考えるところがあった。
世間では3連休なのだが、次男の高校は10月10日の土曜日に、なんと登校日が入っていたのである。
その日は、教科の授業が中心というより、レクリエーションなどの活動が多い日だったとのこと。それでも、学校の日であることには変わりない。
高校は休まず通うつもりだった次男にとって、今回は、学校へ行くか、旅へ行くかを自分で決めることになった。
私の言い方でいえば、人生2回目の「ずる休み」の決断である。笑
もちろん、学校を休むこと自体を勧めたいわけではない。ただ、次男が決める前に、私たち夫婦の間では、今回は旅の経験を優先させてもいいのではないかと話していた。本人の決断を待つと言いつつ、親の側はすでに送り出す気でいたのである。笑
一人で新幹線に乗り、京都まで行く。
兄とその先輩に合流し、親のいないところで2泊をする。
移動も、時間も、お金も、親に全部任せるわけにはいかない。兄たちに助けてもらいながらでも、本人が考えて動く場面はあるはずだ。甘えも、当然許されないだろう、何せ一緒にいるのが『兄』なのだから…。
学校の一日が大切なのは当然、私たちもわかっている。
それでも今回は、いつもの生活から少し離れ、兄たちと過ごす時間を持たせたかった。
世間的には、手放しで褒められる判断ではないかもしれない。
ただ、私たち夫婦は納得して、気持ちよく送り出した。帰ってきたら、また普段の学校生活をしっかり続けてもらえばいいと思っている。
余談だが、その昔、今は亡き私の父がこんなことを言っていた。
『学校や仕事を休むときはズル休みに限る。病気の休みは何もできないからな』と。名言である。
本人4万円、親5万円
次男は、以前、私の店でアルバイトをして貯めたお金から、4万円を用意した。
それでも、新幹線やホテル代などを含めると全然足りない。その不足分、およそ5万円を、私と妻で出すことになった。
痛い。無職の私たちには、なかなか痛い出費である。
子どもの成長を応援したい気持ちはある。しかし、財布との相談は別である。親の思いだけで新幹線が走ってくれればいいのだが、まだそういう仕組みにはなっていない。笑
ただ、本人も自分で働いて貯めたお金を使う。
何にいくら使うのか。残りはいくらなのか。限られた予算で旅をすることも、経験の一つになるだろう。
5万円で、どれだけ成長するのか。
そんなことに値札は付けられないし、帰宅した瞬間に急に立派な大人になるわけでもない。どうせいつもの洗顔男子になるだけであろう。笑
一回り……いや、0.1回りでもいい。
少しだけ自信を付けて帰ってきてくれたら、私たちの5万円も、きっと役に立ったと思える。
プライスレス。そう思いたいが、出ていく5万円には、ちゃんと5万円の値段が付いている……。
地図アプリがあったとしても本人には冒険
もっとも、今は便利な時代である。
LINEも電話もつながる。地図アプリもある。翻訳アプリまであるが、今回は国内旅行なので、困ったら日本語で誰かに聞けばいい。関西弁の翻訳はいらないだろう。笑
昭和の一人旅を想像すると、ずいぶん心強い装備がそろっている。
冒険と呼ぶには、少々甘いかもしれない。
しかし、それはそれ。これはこれである。
画面に道順が出ていても、実際に歩くのは本人だ。駅が大きくて迷ったら、自分で案内を見たり、人に尋ねたりしなければならない。実際、次男からは、京都駅は「巨大なダンジョンのようだった」と聞いている。
親にとっては何でもないことも、初めてやる本人には、小さな挑戦になる。
しかも今回は、兄と大学の先輩がいる。
少し年上の人たちと過ごす2泊は、親と一緒にいるときとは違う時間になるのだろう。その輪に次男を誘ってくれた長男にも、一緒に過ごしてくれる先輩にも、ありがたさを感じている。
つい先日は、私自身が沖縄へ行って長男と過ごしてきたばかり。飛行機の遅延を経て長男と合流し、その夜は焼き鳥を食べながら乾杯した話は、こちらに書いている。
父と息子で過ごす時間もよかったが、今度は弟が、兄との時間を楽しむ番である。親のいないところで、兄弟でどんな話をしてきたのか。それを聞くのも楽しみだ。
お土産のお金の出どころが、少し気になる
さて、そろそろ私も、お迎えの段取りを考える時間である。
連休最終日の新幹線駅は、どれくらい混んでいるのだろう。
駐車場は空いているのだろうか。
息子の成長を大きな気持ちで語っていた父親が、最後は駐車場の心配をしている。まあ、私の担当はそこなのであるから仕方なし。笑
きっと次男は、何かお土産を買ってきてくれるだろう。
そう思うと、楽しみではある。
ただ、そのお土産代の一部は、私と妻が出したお金なのかもしれない。
買ってこなくてもよかったんだよ、と苦笑いをしながら、結局はうれしく受け取るのだろうなと思う。笑
お土産があっても、なくてもいい。
まずは無事に帰ってきて、京都と奈良の話を聞かせてくれたら十分だ。
『ずっと真夜中でいいのに。』
その名前には少し共感するが、今夜は話を聞いたら、次男にはゆっくり寝てもらおう。
なにしろ明日はまた学校、しかも『体育祭』でリレーを走るのだから。笑
息子たちが聴いている音楽を、家でも少し
今回の旅をきっかけに「ずとまよ」が気になった方は、まず「秒針を噛む」などの曲から聴いてみるのもよさそうだ。
この曲は、ファーストフルアルバム『潜潜話(ひそひそばなし)』にも収録されている。
子どもが好きな音楽を知ると、帰ってきたときの話も、少し違って聞こえるかもしれない。
私もギターを長く弾いてきたので、息子たちの好きな音楽の話は、聞いてみたいと思っている。
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参考にした公式情報
- 公演と祭Area:https://zutomayo.net/bunka-denrai/
- バンド紹介:https://zutomayo.net/profile/
- CDと収録曲:https://www.universal-music.co.jp/zutomayo/products/upch-20532/
- 祝日:https://www8.cao.go.jp/chosei/shukujitsu/gaiyou.html
お迎え後日談
結局、次男はお土産を買ってこなかった。
「えっ!? 父さんたちが、買ってこなくていいよって言ったから……」
だそうである。
確かに、言った。
はぁ……。笑
